第14回「プランクトン」2013年9月21日 会場:月島社会教育会館

「プランクトン」がテーマ!?  と驚かれたでしょうか。

でも、魚貝類はプランクトンがいなければ生命をつなぐことができません。

海が赤く染まる「赤潮」も「貝毒」が出たためにホタテガイやカキの出荷が制限される、といった私たちに身近な現象も、実はプランクトンの仕業です。

 

プランクトンは、エネルギーを得るしくみによって、植物プランクトンと動物プランクトンの2つに分類されます。

 

植物プランクトンは、太陽光と二酸化炭素と水、養分(栄養塩と呼ばれています)を材料とする光合成によってでんぷんや糖を作り、エネルギー源にしています。海の中で一番多い植物プランクトンは「海の牧草」とも呼ばれる珪藻類(けいそうるい)です。

 

光合成ができない動物プランクトンは、植物プランクトンを捕食することでエネルギーを得ています。海の中で一番多いのは「海の米」とも呼ばれるカイアシ類です。

 

イワシやアジ、サンマといった比較的小さい魚が植物プランクトンや動物プランクトンを食べ、その小さい魚をイカや中型のカツオやブリなどが食べ、その中型の魚をサメやイルカ、クジラなどが食べ……とつながります。これが「食物連鎖」と呼ばれるサイクルで、大型の魚の死骸はほかの魚に食べられたり、微生物に分解されたりして、栄養塩となり、プランクトンのえさになります。

 

プランクトンが沢山いるのは、温かい海よりも冷たい海。ほかには、海水が湧きあがる(湧昇流といいます)ところや季節風が強くて海水が大きく動くところ、暖流と寒流が出あうところです。

回遊魚は豊富なエサを求めて北上し、たっぷり食べて成長すると産卵のために暖かい海を目指して南下します。初ガツオよりも戻りガツオのほうが脂がのっているワケがわかりますね。

 

実習では、ホタテガイ、ウニ、イナダ(ブリの幼魚)を扱いました。

 

イナダ  魚の中でも“イケメン”の部類。数cmの稚魚(モジャコ)のときは、主に動物プランクトンを食べます。出世魚で、成長につれ、モジャコ→ワカシ→イナダ→ワラサ→ブリと名前を変えます。

ホタテ  有毒のプランクトンを食べると、黒い部分に貝毒が蓄積されます。殻にフジツボなどが付着していることがありますが、フジツボはホタテガイに運んでもらうことでプランクトンを沢山食べることが出来ます。

ウニ  海藻類が大好きで、養殖の昆布の苗を食べてしまうこともあるウニ。自身は天敵のヒトデに食べられてしまうことも。

ホタテガイとウニは自分たちで殻から出し、刺身にしました。ホタテガイのヒモはれんこんと炒めものに。

イナダは三枚におろしてサク取りし、皮を引いて刺身にしました。頭や中骨はSakana-Kaiではおなじみの あら汁に仕立て、余すところなくおいしくいただきました。(レポート:柴山)