第8回勉強会「タチウオ」2012年9月22日 会場:築地社会教育会館

夏になると長物(細長い魚)が美味しくなるといわれていますが、タチウオもその一つ。東日本では漁獲が少ないのですが、西日本では、刺身や焼き魚のほか、蒲鉾やさつま揚げ、みりん干し、煮干しなどさまざまに親しまれてきています。

 

ただ、近年、漁獲量が激減しているのが気になります。

 

タチウオは、実は世界の漁獲量のトップ10にランクインするほど重要な魚です。とくに中国やインド、韓国ではとても大切なタンパク質源。そして、過剰に獲りすぎてこのままではとれなくなってしまうと、国連食糧農業機関でも警鐘をならしている魚の一つなのです。タチウオだけでなく、世界中で獲られている魚の87%が、すでに限界を超えて獲りすぎている魚、あるいは限界まで獲っている魚といわれています。地球規模で魚を守る努力が必要な時代であることがわかりました。

 

調 理実習は、大きめのものと小さめのものをソテーにし、イタリア風、韓国風、インド風の3つの味での食べ比べを楽しみました。アラでだしをとってみそ汁も作 りました。そうそう、魚卵があれば、しょうゆで煮るなどすればまた一品になります。タチウオは、余すところなくいただけるうれしい魚でした。(川崎)

この日は入荷が少なく、タチウオも小さめでした。

タチウオの生態、食文化、そして東アジアの人たちにとても重要な魚であることを学びました。

背びれについた骨をv字に包丁を入れて外します。

鋭い歯に注意! ちょっと触れるだけで指がスっと切れてしまいます。

筒切りにして背びれと内臓を取り、洗ってから皮目に包丁目を入れます。小さい尾の部分や頭は霜降りにしてからだしをとり、みそ汁にしました。

トマトのアーリオ・オーリオのソースは覚えておくと便利と大好評。ほかに、コチュジャンダレ、カレーソテーの3つの味で楽しみます。

料理研究家の加嶋慶子先生。故郷大分でのタチウオの思い出や料理のコツをお話してくださいました。「タチウオは時間がたつと、皮が臭みの元になるので、丁寧に取るといいですよ」

メンバーよりおすすめ本を紹介。今回は『身近な魚のものがたり』(小泉光久/文 高山ケンタ/絵 高野博/監修 くもん出版)を紹介。「イワシ、サンマ、アジ、サバ…身近な魚についてとても楽しく学べます」